国内活動〜里山保全活動

里山保全の作業

春から秋は田んぼ、冬は山。泥の中も森の中も楽しく汗する自然の遊び場です。

里山の活動は、大きく分けて春から秋の谷間での田んぼ作業と、秋から冬の山の作業の2つに分かれます。ここでは主に田んぼの作業を、年間スケジュールで解説していきます。

3月 開墾作業

田んぼの作業の始まりは、3月の開墾作業から。正確には、一度田んぼとして利用されていた耕作放棄田の再生作業です。数十年放棄されていたので、草ボウボウ・・大きな木まで生えています。これらを刈り込み、時には数人がかりで掘り起こし、整地していきます。同時に水路をほり、水を通して田んぼとして再利用する下準備をします。

4月 代掻き・黒塗り

そして、4月から本格的な作業開始です。まずは田んぼに水を入れて泥をかき混ぜ、酸素を送り込む「代掻き」。そして、その泥で田んぼの畦をつくり、保水性を高める「黒塗り」作業を行います。

5月 田植え

田植えの時期です。主に田植機を使いますが、狭隘な土地で機械が上手く操作できないこともあり人力でも行います。イベントの時は、もちろんみなさんで一斉に田んぼに入り、膝まで泥に浸かって数株ずつ苗を植えていきます。

6、7月 草取り・ホタル刈り

田んぼには、稲の他にも沢山の雑草が生えてきます。こうした草を取り除き、養分を穂に集中させることで美味しい実がなるのですが、通常は除草剤を撒いてしまいます。しかし、我々は人海戦術で、田植えと同様膝まで泥に浸かり、一本ずつ草を抜き取っていきます。この作業は田植えよりも大変かも。しかし、無農薬に努めてきたおかげで、今では見ることも少なくなったゲンゴロウやミズカマキリといった水生昆虫をはじめ、それらを餌にするトウキョウサンショウウオなど、稀少生物が戻ってきました。また。水が抜けた田んぼは草が生えやすくなるため、畦に穴を開けて巣を作るザリガニは害虫。ちびっ子が笹の先に糸を付けてスルメを垂らし、ザリガニ釣りをして駆除してくれます。田んぼでは、遊びも仕事のうちそして、この時期はお寺に泊まり込んで、日が落ちると再び田んぼに出かけます。復活してきたホタルの鑑賞会です。幻想的な景色で、初夏の夜が更けていきます。

9月 稲刈り

夏の日差しを浴びて大きく実り、頭を垂れた稲穂。こちらも田植えと同様コンバインが主力ですが、やはり我々は手で刈り込んで行きます。最後に刈り残した落ち穂拾いもしっかりと。お茶碗一杯の落ち穂を拾うのも一苦労。これを体験すると、米粒一つ残すのが憚られます。

10月 収穫祭

乾燥させ、脱穀・精米した米を、いよいよいただく日がやってきました!お寺の本堂裏側で、間伐・除伐した薪などで火をおこし、かまどで新米を炊きあげます。丹誠込めて育てた米の味は格別!しかも、農薬を撒いていないことは自分たちが一番よく知っていますから、安全です。至福のひととき。もちをついたりサンマを焼いたりして、秋の味覚を楽しみます。

11月〜3月 山仕事

田んぼの作業が終わると、山の仕事が始まります。山仕事の概略は、福島での森林整備とほぼ同じです。谷間にある谷津田は、簗と呼ばれる田んぼ周辺の草や笹を刈り込み、風通しを良くしておかないと、稲が病気にかかります。そこで、周辺の里山もしっかり整備しておく必要があります。刈り込んであれば、視界が良いためイノシシなども接近せず、またヘビなども猛禽類が空から見つけやすくなり、人間が作業するときにも安全です。笹は燃やして肥料にしたり、炭を焼いたりして有効利用します。この時期、簗刈りをはじめ、林道整備や生き物観察会など、さまざまな活動・作業を行い、周辺地域全体の保全に努めています。