里山保全活動

里山保全活動の目的

失われつつある日本の原風景、里山。それを取り戻すこと、そして保全し続けることが活動の目的です。

里山とは何か。荒れているといわれている現状がよくわからない。砂漠と違って見た目は緑なので、日本の山も里も荒れているとは一見わかりづらいのですが、実は深刻な状況にあります。

 

(1)人が住む里の山=里山

里山とは、人が住む集落周辺にあり、住人が手入れをして利用してきた森を指します。ですから、地域によって植生はまちまち。単に換金目的で材を切り出す大規模商業林とはことなり、薪や肥料、林産物など、生活必需品を多く賄ってくれる、自給自足の要のような存在でした。そして、そこには里山独自の林層や生態系が育まれてきたのです。

 

(2)戦後復興・高度経済成長に取り残された里山

商業林と同様、里山も、戦後の経済変革によって、その役割を失いました。まず、都市化により戦後、農村人口は半減。特に若年世代の都市への人口流出に歯止めがかからず、農林業が担い手を失っていきました。さらに、藁を編み、膠(動物性油。接着剤など)や菜種を搾り、薪や落ち葉を集め、枝や茅で屋根を葺き、桑を育てて機を織るなど、里山からもたらされたあらゆる日常品やエネルギーが、石油製品や電力・ガス、水道など、便利で安価な工業製品や輸入品に取って代わられていきました。里に人無く、山に価値無しという状態に追い込まれていったのです。

人口推移(国勢調査より)

(単位=千人)

 

(3)里山の疲弊が意味すること

現在、大都市圏に8割の人口が集中する日本。しかし、そこにもたらされる水や空気は、里山や森林が機能して育まれます。また、自給率が低下したとはいえ、食料や木材の供給源でもあり、また生物の生息地として無くてはならない存在です。なによりも日本の原風景である棚田や農村風景、文化や習慣のよりどころでもあり、日本の文化・伝統の大きなゆりかごであることに間違いありません。しかし、我々は今、こうした有形無形の様々な価値を持つ貴重な里山を、経済的な側面だけで役割を図り、消耗品のように切り捨てようとしています。

 

(4)都市住民の「関わり方」

では、都市住民には何ができるのでしょうか。やはりここでも、消費者という立場で捉えてみてはどうかと思います。ほとんどの人が、今の生活をリセットして再び里山に骨を埋めるつもりで、生産者の側に立つことはできないからです。しかし、輸入食材の安全性や食品偽装など、これまで安全が当たり前だった都市での便利な生活にも、ほころびが見え始めました。消費者として、身の安全を守るためには生産現場を理解することは決して無駄ではないでしょう。それも、水や空気、文化や伝統といった、多面的な価値を持つ里山を理解することは、単に消費者だけではなく、市民としても重要で且つ楽しいことに他なりません。とにかく、一度身を置き、身近に感じてみましょう。人それぞれ、見えてくるモノが違うでしょうが、関わることが大切だという実感が持てるはずだと思います。