砂漠緑化活動〜砂漠化について

止まらない砂漠化

砂漠化は、緑化の努力を超えて拡大を続けています。


中国政府は、砂漠化対策を真剣且つ大規模に進めています。しかし、「局所改善・相対悪化」と認めているように、砂漠化は未だ進行しています。では、それはなぜでしょうか。

(1)政策の不備

中国では、禁牧期間の設定や、全国民による義務植林、無理な耕作をやめて森林に戻す「退耕環林政策」をはじめとした各種の政策を実施するなどし、緑化を進めています。しかし、補助金の不足や配分の不徹底をはじめ、不備な政策も見受けられます。

(2)行政(取締り体勢)の不備

実際に政策を実施するのは地元政府の役割ですが、末端の農村では、政策の実施や禁牧、違法耕作などの取締りが不徹底です。また、村幹部をはじめ行政の腐敗も横行し、政策の実効性を低下させています。

(3)住民の理解・やる気の不足

義務植林や各種政策は、必ずしも住民の利益となるものばかりではありません。また、補助金が支給される制度では、住民は緑化よりも補助金目当てで申請することが多いようです。彼らは、緑化は自分たちのためではなく、政府にやらされているものだと考えている場合が多く、植栽したものの管理などは無関心であることが多く見受けられます。

(4)文化・習慣に起因する原因

モンゴル族は伝統的に収奪文化である遊牧生活をしており、地力維持のための土地への配慮は、自らが家畜と共に長距離移動を繰り返し、一点への食圧を下げることのみです。植えたり、また育てたりといった、管理を経験したことがありません。特に森林については、日本のように孫の代に残す、というような長期的な視点からの土地利用が必要ですが、絶無といっても良い状況です。これは、善し悪しではなく文化の違いなのですが、家畜の数が60年間で300倍にも増えた通遼市内で、昔ながらの収奪的な土地利用が成立するはずもありません。どうしても、メンテナンスを行ってより効率的な利用を行う必要があります。


このように、中国政府や我々の懸命な緑化活動でも追いつかないほど砂漠化が進行する背景には、中国社会や文化、そしてなによりも住民1人1人の意識・関心の低さがあると、我々は考えています。たしかに、真っ白な砂丘を目にして、貧しい農民が何とかしようと思ってもできる者ではありません。そこで、我々の活動が意味を持ちます。